https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75545
（ミクスOnline 2023年10月27日付記事より）

　
ＭＳＤは、沢井製薬とサワイグループＨＤのグループ会社のメディサ新薬に対し、ＤＰＰ－４阻害薬シタグリプチン（ジャヌビア）の特許権を侵害したとして、特許侵害訴訟及び仮処分申請を東京地裁に提起しました。

　
実は、この記事だけでは、真相は分かりません。

問題になっているのは、ＭＳＤの延長を受けた特許が「水和物」であるのに対し、沢井製薬とメディサ新薬は、「無水物」について後発医薬品の承認を受けているのです（日刊薬業第16163号）。

　
さらにやっかいなのは、医薬品の承認申請の審査上、「水和物」と「無水物」の違いがあっても、それは同じ有効成分として取り扱われることが規定されているのです（薬食審査発 0616 第1号）。

　
ＭＳＤが沢井製薬とメディサ新薬に対し、特許侵害訴訟及び仮処分申請を東京地裁に提起することは織り込み済みでしたが、果たして「水和物」についての延長特許の効力が「無水物」に及ぶのか、それとも非侵害という判断が下されるのか、非常に注目が集まっています。

　
それにしても、他の後発薬メーカーがガタガタの中で、サワイグループＨＤのチャレンジングには驚かされます。

　
きらめき国際特許事務所

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