知的財産について

知的財産とは

知的財産とは知的創作活動の結果生まれた財産的な価値を有する情報です。新製品の技術的なアイデアやデザインなどがこれに該当します。知的財産を法律上保護される権利にしたものが知的財産権です。

知的財産の体系

知的財産は様々で、その種類によって保護対象や性質が異なります。具体的には、(1)技術的なアイデアを保護する知的財産(2)デザインや表現を保護する知的財産(3)ブランドを保護する知的財産(4)産品や品種を保護する知的財産、と大別することができます。

知的財産


特許権

  • 保護対象は「発明」です。
  • 出願日から1年6ヶ月後に出願内容が公開される「出願公開」制度があります。
  • 特許権を取得するには出願日から3年以内に「審査請求」をする必要があります。審査請求をしないまま出願日から3年経過すると特許出願が取り下げられたものとみなされ、特許権を得ることができません。早期審査や審査請求料軽減などの制度があります。
  • 特許庁における審査の結果、出願した発明が新規性や進歩性などの「特許要件」を満たすと判断された場合に特許権が得られます。
  • 日本国内の出願、外国出願に利用できる「優先権」制度があります。優先権主張出願によりデータなどの補充ができます。
  • 存続期間は原則として出願日から「20年」です。

実用新案権

  • 保護対象は「物品の形状、構造、組み合わせに係る考案(小発明)」です。
  • 実体審査を経ずに実用新案権が付与されます(無審査主義)。
  • 出願内容は実用新案権の登録後に公開されます。
  • 出願日から3年以内であれば、実用新案権が登録されていたとしても特許出願への変更が可能です。ただし、既に実用新案権が発生している場合は、実用新案権を放棄する必要があります。
  • 無審査で権利が発生するため、権利行使を行うには実用新案技術評価書が必要になるなどの一定の制限が課せられています。なお、実用新案技術評価書は考案が新規性や進歩性などの要件を満たすか否かを評価したものです。
  • 日本国内の出願、外国出願に利用できる「優先権」制度があります。ただし、実用新案権の登録前に手続きを行う必要があります。
  • 存続期間は出願日から「10年」です。

営業秘密(不正競争防止法)

  • 一般にいわれている「ノウハウ」とは異なり、①秘密管理性、②有用性、③非公知性の三要件を全て備えている必要があります。
  • 「営業秘密」に該当するか否かの最終的な判断は、訴訟になった後に「裁判所」が行います。
  • ①秘密管理性、②有用性、③非公知性の三要件を備えている限りにおいては永久的な権利といえます。

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意匠権

  • 保護対象は「物品や建築物、画像に関するデザイン」です。
  • 特許庁における審査の結果、出願した意匠が新規性や創作非容易性などの要件を満たすと判断された場合に意匠権が得られます。審査請求制度はなく、出願された意匠は自動的に審査されます。
  • 登録された意匠は公開されます。
  • 存続期間は出願日から「25年」です。

著作権

  • 保護対象は、言語、音楽、絵画、建築物、図形、映画、写真、コンピュータプログラム、データベースなど、創作によって表現された「著作物」です。技術的創作ともいえるコンピュータプログラムも著作物に含まれています。
  • 著作権は、著作物が創作された時点で自動的に発生します(無方式主義)。
  • 偶然第三者により創作された同一・類似の著作物についても著作権が発生します。
  • 「実名」、「第一発行年月日」、「公表年月日」などの情報を登録する制度があります。ただし、著作権は創作とともに自動的に発生するため、権利発生のための登録制度ではありません。
  • 「著作権侵害」が成立するためには、「類似する」だけでは足りず、「依拠した」ことが必要です。
  • 著作権の権利期間は、実名等の著作物の場合は著作者の死後70年、無名・変名の著作物、団体の著作物、映画の著作物の場合は公表後または創作後70年です。

形態模倣(不正競争防止法)

  • 他人の商品の形態を模倣する行為は、①それが意図的な模倣であり、②日本国内で最初に販売された日から3年以内であり、③その商品の形態そのものについての模倣であれば、不正競争行為に該当し、不正競争防止法違反となります。

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商標権

  • 保護対象は「商標」に蓄積した業務上の信用です。
  • 「商標」として、「文字」や「図形」のほか、「立体的形状」、「動き」、「位置」、「音」、「色彩」、「ホログラム」があります。
  • 商標登録を受ける場合、商標のほか、その商標を使用する「商品」、「役務(サービス)」を指定する必要があります。
  • 商品、役務は「区分」に分類されています。商品、役務の指定は区分ごとに行う必要があります。指定する区分の数が増えるほど、出願、登録、更新の際の費用が増します。
  • 出願後約2週間で出願内容が公開されます。
  • 審査請求制度はなく、出願された商標は自動的に審査されます。
  • 存続期間は登録日から「10年」です。ただし、存続期間は何度でも「更新」可能です。したがって、商標権は半永久的に維持できます。

商品等表示(不正競争防止法)

  • 他人の商品表示・営業表示(商品等表示、例えば商品名やサービス名)として周知なものと同一・類似の商品等表示を使用し、他人の商品または営業と混同を生じさせる行為や、他人の著名な商品等表示と同一・類似の商品等表示を使用する行為は、不正競争行為に該当し、不正競争防止法違反となります。

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地理的表示

  • 保護対象は、伝統的な製法や気候・風土・土壌などの生産地の特性と結びつきのある確立した品質等の特性を持った「産品の名称」です。
  • 地理的表示は、「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(GI法)」により保護されています。
  • 登録の更新手続が不要で、取り消されない限り存続します。
  • 生産者団体が定めた生産地や生産方法等の基準(明細書等)を満たす産品にのみ、その産品の名称の表示(地理的表示)を使用することができます。
  • 不正な地理的表示(類似等表示を含む)の使用に対しては、登録者に代わって行政が取締ります。

育成者権

  • 保護対象は「植物の新品種(植物体そのもの)」です。
  • 育成者権を取得すると、自身の登録品種の利用を独占することができるとともに、第三者が無断でその登録品種を利用している場合に、その利用を排除することができます。
  • 存続期間は登録日から「25年(樹木の場合は30年)」です。

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